疾患について

2019.10.11

発見と工夫

 今年、9月末までに当院で行った手根管症候群に対する内視鏡下手根管解放術は188件でした。当院が開院してからの件数は、約900となりました。手術件数が増加するにつれ発見があります。そのうちの一つが、手根管症候群で圧迫を受ける正中神経の経路です。人によりその位置が微妙に異なっています。

 内視鏡下手根管解放術では、ポータルと言う皮膚に開ける穴の位置は決まっているのですが、その通りに行うと開けた穴のすぐ真下に正中神経があったことが、4−5件ありました。そのまま内視鏡を入れると神経を傷めるため、穴の位置をずらす必要が生じます。

 後で穴の位置をずらすことを避け、神経の障害を防ぐため、現在は超音波エコーで術前に神経の位置を確認し、皮膚に神経の位置に印をつけ、その位置に応じて穴の位置を決定するようにしています。

 このように、改良をかさねてより円滑で、安全な手術を行うようにしています。

 

 

 

 

2019.01.30

昨年の手術件数

昨年12月までの1年間で、鏡視下手根管解放術、バネ指に対する腱鞘切開術、デケルバン腱鞘炎に対する手術、拘縮肩(四十肩、五十肩)に対する授動術を行いました。鏡視下手根管解放術184件、腱鞘切開術57件、拘縮肩(四十肩、五十肩)に対する授動術27件でした。

2018.09.28

四十肩、五十肩のリハビリテーションと授動術

四十肩、五十肩は、整形外科的な表現としては拘縮肩となります。拘縮とは関節が固くなり自身のみならず他人の力でも関節をよく動かせなくなっている状態です。当院ではこのような肩関節にリハビリを行い治療しています。しかしながら、固くなってからの期間が長いと、リハビリを数カ月行っても動きの改善が得られないことがあります。当院では固くなった肩関節に授動術を行い、肩の動きをよくするように努めています。授動術を行うと、関節を包んでいる袋が「ボリボリ」といった音を立て剥がれ動きがよくなります。腕が肩の高さくらいまでしか腕が上がらない人も、他動すなわち他の人の手の力でまっすぐ上にがるくらいになることもしばしばです。関節の袋が剥がれて動きが良くななった後は、自力で、腕の動きが改善すると良いのですが、授動術後1ヶ月程度で、動きを見ると固くなって腕が上がらなくなっている人がいます。このような人は一般的に、症状が出てから長い人が多く、筋肉も固くなり伸び縮みしにくくなっているようです。筋肉はリハビリを続けると伸びが良くなるようですが、1年以上かかる人もいます。このような長期の治療は避けるため、肩の動きが悪くなってから、2−3ヶ月のうちには、リハビリを開始すべきと考えています

2018.09.12

手根管症候群の重症度としびれの回復について

神経筋検査装置による神経伝導速度の測定

当院では5年前の開院以来、手根管症候群に対する内視鏡下手根管解放術を行っています。本年は8月末までに122手に手術をを行っています。腱鞘炎を伴っている人、重症で母指球筋の萎縮が顕著の人もいます。また透析の患者さんもいます。手術前には、必ず神経伝導速度を検査で測定しています。正中神経の運動神経末梢潜時という数字で4.0を超えると異常として良いと考えています。数字が大きいほど悪いのですが、中には10を超える人や、重症のためこの数字が測定不能の人がいます。術前の数字が良い人ほど術後のしびれの改善は早いのですが、7.5程度まで人は、術後1−2ヶ月のうちにしびれが消えてしまうことがほとんどです。

2017.12.27

今年の手根管症候群の手術件数について

今年もあとわずかとなりました。今年1年に当院で鏡視下手根管解放術行った件数は154件でした。過年度の結果も含めよく再評価を行い、より良い結果が得られるように工夫したいと思います。

2017.12.20

重度の手根管症候群の術後回復

手の痺れを主体とする手根管症候群の中で、術前の正中神経伝導速度の末梢潜時が測定不可能なものがあり、その多くでは、親指の付け根のいわゆる母指球筋の萎縮が顕著に見られます。このレベルの手根管症候群は、手術の対象となります。当院のデータでは、術前の末梢潜時測定不能例のうち術後2ヶ月目に測定が可能となったものの割合は、41.8%(36/86),6ヶ月目までに測定が可能となったものの割合は、54.7%(47/86)でした。測定が可能となるということは、母指の付け根の筋肉が回復し、動気がよくなったことになりますので、ものをつまむ動作が改善してくることになります。

2017.10.31

手のしびれと手根管症候群

手のしびれの原因となる手根管症候群ですが、日常診療でこの疾患の診断を受けられない方がしばしば見受けられます。ご自身での判断材料とするため、手根管症候群に見られる手のしびれの特徴を述べたいと思います。科学的、統計学的な解析は行っていませんのでご了承ください。
1)手指に限るしびれ、2)早朝や深夜に強いしびれ、3)小指はしびれない、4)握っている・手指を使っているっているとしびれが増す、5)両手指のしびれ、6)首を反らしても手や腕の痛みしびれが増さない、7)財布の小銭が取り出しにくい、
以上のうち、3項目以上が該当する場合、手根管症候群に詳しい医師に受診することをお勧めします。

2017.09.13

関節リウマチとエコー

関節リウマチは、多数の関節が腫れて痛み、年数が経つと関節の骨の破壊をきたすようになります。現在では、発症の初期に診断をつけ、骨が壊れる前にリウマチを薬で抑えるという考えが主流です。初期のリウマチでは、血液検査異常のほかは、関節の腫れ、場合によっては腫れが少なく痛みだけという場合もあります。リウマチによる関節の腫れを早期に見つける方法としては、MRI検査がありますが、検査の時間と費用がかかります。
エコー検査は近年、簡易で有効な方法として広まってきています。検査では、レントゲンでは判断しにくい滑膜という関節の袋の腫れを映し出せるとともに、パワードップラーという方法で、滑膜の血液の流れの増加を見つけることができます。

手関節のエコー像  関節滑膜の血流増加と腱鞘の水腫

 

 

2017.07.28

手根管症候群と夜間痛、早朝のしびれについて

当院で手根管症候群の手術を受けられた患者様で夜間痛や早朝のつらいしびれのあった方の数を調査しました。結果、夜間痛や早朝のしびれあり256(55%)、なし48(10%)、記載なし162(35%)でした。
術後、夜間痛は早々に軽快していました。夜間痛や早朝のしびれ、時に夜間痛のある手根管症候群は、手術すべきと考えています。

2017.01.20

昨年の手根管症候群の手術数

昨年の手根管症候群の手術数は132件でした。開院後380件程度です。治療結果を分析して、診療の向上に役立てたいと考えています。現在解析中ですが、手根管症候群とばね指の合併は結構多い。手根管症候群が両側性で起こっている人は、むくみ等の体質の影響が考えられること、片手の場合は、使い過ぎと関連が疑われること。これらのことに注目してみたいと考えています。

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