リウマチ性疾患

リウマチ性疾患について

リウマチ科では、関節リウマチだけでなく、痛風や偽痛風などによる関節炎、血管炎や間質性肺炎を随伴する膠原病や不明熱といった自己免疫疾患に関連する全身性疾患とともに、手足の関節の主症状とする疾患をリウマチ性疾患といいます。

こんな症状があったら
気をつけましょう

 

痛風

痛風風が吹くだけで痛いという激しい痛みをともなう病気として知られており、贅沢病と呼ばれた時代もありましたが、現在は一般的な生活習慣病として認識されています。激しい痛みが起こる痛風発作は足の親指のつけ根に起こるケースが多く、突然の激痛と赤い腫れが特徴です。歩けないほどの痛みですが、長くても1週間程度でおさまります。ただし、これは治っているのではなく、おさまっているだけですので、適切な治療を受けなければ痛風は進行し、再び突然に発作を起こす可能性があります。
痛風の原因は、血液中の尿酸が過剰に増えてしまうことです。尿酸は針のような結晶を作るため、それが関節などに沈着して痛みを引き起こしています。女性に比べ、血液中の尿酸値がもともと高い男性に多い傾向があります。健康診断の血液検査で尿酸値の高さを指摘されたら、発作が起きていなくても必ず受診してください。

偽痛風

偽痛風痛風に似た症状を起こす疾患です。膝に症状が現れることが多い傾向があります。突然、強い痛みが現れて腫れるところは痛風に似ています。最も多い膝の発症では、大量の関節液がたまるという特徴があり、これは黄色く濁っています。こうした症状があって、血液検査で尿酸値に異常がない場合にこの偽痛風を疑います。
診断には、レントゲン検査が有効で膝関節内に石灰沈着の有無を確認します。治療には消炎鎮痛剤を用い、ほとんどの場合は数日で改善します。

関節リウマチ

関節リウマチについて

関節リウマチは、手足の関節の腫れと痛み、朝方の手のこわばり【動かしにくくなる】ことを特徴とした疾患です。膠原病、自己免疫性疾患の一つとされ、診断がついたのちは適切な薬物治療を必要とする疾患です。ここでは、医学的な知識のない方にできる限りわかりやすく説明させていただきます。
専門書などの解説と若干異なる場合がありますのでご了解ください。

症状

おもに、関節に炎症(腫れて、熱感を持ち、痛みを伴う)が生じる疾患です。関節の表面をおおっている軟骨が壊されるため、発症後の経過が長いと関節の変形をきたすことがあります。関節の病変は通常、複数の関節で起こるため、全身の病気であるといえます。
老化に伴って生じる変形性膝関節症(へんけいせいひざかんせつしょう)と異なり、手や指に痛みや腫れを生じ、朝方には手指を動かしにくくなる、いわゆる「こわばり」が生じるのが特徴です。

診断

血液検査での特徴としては、熱や各種の感染症などを含めた炎症でみられる「CRP」という数値の上昇に加え、「抗CCP抗体」、「リウマチ因子」、「MMP-3」の上昇が多く見られます。
診断は関節の腫れや上記数値の上昇を総合判断し行います。

関節リウマチとエコー

エコー関節リウマチは、多数の関節が腫れて痛み、年数が経つと関節の骨の破壊をきたすようになります。現在では、発症の初期に診断をつけ、骨が壊れる前にリウマチを薬で抑えるという考えが主流です。初期のリウマチでは、血液検査異常のほかは、関節の腫れ、場合によっては腫れが少なく痛みだけという場合もあります。リウマチによる関節の腫れを早期に見つける方法としては、MRI検査がありますが、検査の時間と費用がかかります。
エコー検査は近年、簡易で有効な方法として広まってきています。検査では、レントゲンでは判断しにくい滑膜という関節の袋の腫れを映し出せるとともに、パワードップラーという方法で、滑膜の血液の流れの増加を見つけることができます。

メトトレキサートや
生物製剤による治療

メトトレキサートや生物製剤による治療メトトレキサートや生物製剤による治療

今日では、癌治療に用いられていたメトトレキサートの有効性が広く認められたため、治療薬の中心となっています。この薬により充分な治療効果が得られない場合、免疫用製剤(腎臓移植の後の拒絶反応を抑えるため使用されていた薬)や最新の生物製剤が用いられる様になりました。
メトトレキサートが副作用や患者様の体の状態のために使用不可能な場合は、ほかの抗リウマチ薬(DMARDs:ディーマーズと呼ばれています。)を使用することがあります。
これらの薬の治療により、今日では7〜8割程度の人で、症状が消失した緩解(かんかい)という状態のすることが可能です。

※上記の内服治療に加え、リハビリテーション、関節変形などに対する手術療法が治療として行われています。