疾患について

2016.11.08

手根管症候群の術後回復と痛み

手のしびれの原因の一つである手根管症候群に対して、当院では鏡視下手根管開放術を行っています。本疾患では、正中神経が手根管と呼ばれる手掌のトンネルの中で圧迫されて起こります。圧迫が起こると正中神経の能力が低下して神経の電気刺激を伝える速度が低下します。例えれば、携帯電話やインターネットの通信速度が落ちることと同じです。この電気刺激を伝える速さを測定する機械が、神経筋刺激装置です。当院では、術前と術後に計測しており、ほぼ全例(98.5%)で数値の改善が見られています。。手術前の症状で、しびれの改善は、術前の神経障害の少ない人ほど早く改善する傾向があります。夜間や早朝に生じる強い痛みやしびれ(いわゆる夜間痛)は、通常手術当日の夜から改善しています。一方の術後に生じる創部痛(切ったところの痛み)ですが、個人差あるものの3-6カ月くらいの間に軽快していきます。とはいうものの痛みを耐えて待つのがつらい人もいます。この場合、手掌痛と呼ばれるものに対しては低出力レーザーの照射や手根管内へのステロイド注射により症状が改善が見られます。また、時に生じる切開創の痛みには、ステロイドのテープを貼ることが有効です。

2016.10.17

ヨクイニンについて

整形外科疾患に用いられる漢方薬にヨクイニン湯があり、関節痛、筋肉痛に適応があります。
ヨクイニン湯は、ヨクイニン、蒼朮、当帰、麻黄、桂皮、シャクヤク、甘草からなっています。ヨクイニンが最大の成分で、これはハト麦を粉にしたものです。ハト麦自体は、皮膚疾患に対して、有効性がありヨクイニンのみの錠剤も存在しています。この錠剤の適応症は疣贅(いぼ)です。

2016.10.17

四十肩、五十肩の治療と授動術、リハビリ

肩の痛みで医療機関を受診された方は、四十肩、五十肩または肩関節周囲炎といわれた経験がおありかと思います。肩関節疾患の種類は多岐にわたり、インピンジメント症候群、上腕二頭筋長頭腱腱炎、石灰沈着性腱炎、腱板損傷、など多数の疾患があります。四十肩、五十肩は、肩の痛みともに、関節の動く範囲が狭くなる疾患の俗称です。有痛性肩関節制動症といったわかりにくい名称もあり、疾患の名称が統一されていないといった問題もあります。四十肩は、ほっておいても治るとお思いも患者さまも多いようで、当院来院時に肩関節の動きが、顕著に低下している人がいます。動きの低下が長期にわたると、関節包という関節の袋の大きさが小さくなり動きが制限され、筋肉の伸縮も悪くなります。当院では、こうした障害に対し、運動器リハビリテーションを行うとともに、動きの制限が顕著な方には、徒手授動術を行って、早期回復が得られるようにしています。授動術時には、一時的に痛みを伴いますが、通常のリハビリでは困難な早期の動きの改善が得られます。

2016.09.26

鏡視下手根管開放術

開業し3年半が過ぎようとしています。開業当初より、クリニックで行える手術は行うという方針で、手根管症候群に対する鏡視下手根管開放術を行ってきました。大病院に比べかかりやすいようにするため、手術日は、月、火、水、金と比較的曜日の選択をしやすいようにしています。今年は9月初旬までに100名の方に同手術をお受けいただきました。神経伝導速度検査も必要があればすぐに行うようにしていますが、検査に集中している間に次の患者様の待ち時間を増やしてしまう場合があります。受信し易さを含め、より良い結果が得られるように、工夫していこうと考えています。

2016.09.24

3か月ぶりの投稿

約3か月振りに投稿いたします。わたくしは元来筆まめでありませんので、どうも日記類を書くことから腰が引けてしまいます。
振り返ると小学校のころ、クラス内で4人で1グループを組まされ、4日に1度グループ日記を書かされたことを思い出してしまいます。
わたくしはこれが苦手でたった数行ですら何をどう書いてよいのかわかりませんでした。当番の日になるとほとんど真っ白なノートを前に時計の針が夜11時を回り、つらかったことを思い出します。

2016.06.03

震災前の熊本城

熊本の大地震により、熊本城にも石垣の崩落など大変な損害が生じています。
熊本城は扇の勾配といわれる独特な石積が特徴です。また、城の建造物も明治初期の西南戦争による火災の時まで天守閣をはじめ、かなりの建物が残っており、焼失前の記録をもとに、近年、本丸御殿の一部が再建されています。御殿内には、「昭君の間」という豪華な1室があり、1説では、加藤清正が豊臣秀頼公を迎えるため、御座の間として作ったとの言い伝えもあります。本丸御殿は、このほかにも再建計画があったようですが、今回の震災で、石垣や屋根瓦の滑落などの被害が強く、まず原状復帰をさせることが先決となります。再建本丸御殿にも行ってきたのですが、なぜか写真がありませんでした。ご興味のおありになる方は、ネット検索してみてください。震災地域の復興をお祈りいたします。

2016.05.24

川越城に行ってきました。

川越城は、埼玉県川越市にあり、電車では、JR川越駅または、西武新宿線本川越駅から、バスで15分程度、徒歩では30分程度のところにあります。城は室町時代の1457年頃扇ガ谷上杉氏と古河公方(足利氏)の勢力争いが生じていた武蔵国で、拠点として上杉氏が家宰の太田道灌に築城を命じたと言われています。ちなみに江戸城も同じ頃、太田道灌により築城されています。
この城の特筆すべき点は、1848年と比較的近世建築であるものの、本丸御殿が現存していることです。本丸御殿が現存しているのは、この城の他は高知城しかありません。御殿を見学して感じたことは、将軍家の城である二条城の二の丸御殿と比べると大変質素で昭和期の小学校の木造校舎といった感じです。
この城の近くには喜多院という寺がありますが、ここには、江戸城の御殿を移築したと言われる書院があり、徳川家光誕生の間と言われる部屋があります。

2016.03.01

進行した手根管症候群について

手根管症候群が進行すると、しびれに加えて、親指の付け根の筋肉が、しぼんでいきます。その結果、ボタンはめ、その他のつまみ動作が、困難となります。神経伝導速度検査では、正中神経の運動神経末梢潜時が測定困難となります。筋肉の萎縮(しぼむこと)が進むと、手根管開放術という手術の後も筋力の回復は困難となります。したがって、手根管症候群による筋萎縮が生じた場合は、手術を早く行った方がよいということになります。筋肉の萎縮が進んだ後も、手術によりしびれは改善します。
当院で正中神経の末梢潜時が測定困難な状態で手術を行った例では、術後2カ月の検査で、約30%で潜時が測定可能となっており、6カ月までには約45%が測定可能となっていました。潜時の測定が可能となったということは、筋肉が電気刺激で動き出したということになりますので、ボタンはめ、その他のつまみ動作の機能も改善が見込まれます。

2016.01.29

昨年(2015年)の手術件数

昨年度の鏡視下手根管開放術な件数は120件でした。腱鞘切開術は、38件でした。
両方(鏡視下手根管開放術と腱鞘切開術)の手術を同時の行った人は11人でした。
昨年は、末梢神経学会で鏡視下手根管開放術後の集積データに発表を行いました。今年も、
調査を継続し、手術治療の改善に役立てたいと考えています。

2016.01.29

四十肩・五十肩の治療

四十肩・五十肩は、肩の痛みの原因としてよく語られていますが、これは医学用語、医療用語ではありません。また、医師以外の方が四十肩・五十肩という場合のどのような状態のことを指して言っているかあいまいなことが多いようです。医学的には、有痛性肩関節制動症または拘縮肩といった疾患名で呼ばれています。この疾患は、種々の原因により肩関節を包んでいる袋である関節包というものが、小さくなり結果として関節の動きが制限されるものです。
関節の動きが制限された状態を拘縮といいます。拘縮は、初期の状態であれば、リハビリテーションにより改善します。時間がたつと関節の内側がくっついて小さくなり、関節の動きが悪くなります。このため、関節包が小さくなった状態では、くっついた関節の内面をはがす必要があります。これには、手術をして切ってはがす方法と医師が手を使って引きはがす方法があります。前者を観血的関節授動術といい、後者を非観血的関節授動術といいます。
当院では拘縮肩に対して非観血的関節授動術を行っております。高度の拘縮肩も場合は、まず授動術を行った後にリハビリテーションを行うと、より良好な関節可動域が得られます。

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